職場を辞めることに決めた。
後は上司に伝えるだけだ・・!
緊張する。いつ伝えよう。
おすすめは、木曜日の午後早めです。
退職を伝えるべき曜日は木曜日
退職を上司に伝えるベスト曜日は木曜日。
なぜか?
退職表明が上司に与える影響とそれが退職意思表明者に波及することを考えました。
(1) 週初めに伝えるとその週が気まずい
月曜日や火曜日に退職することを上司に伝えたとする。
そうすると、その週の残りは退職表明というセンシティブな重大事項をかかえたまま上司も部下も仕事をしなければなりません。
これは気まずい。
土日を挟んでで気分一新したい。
じゃあ金曜日に伝えるのがよいのか?
(2) 金曜日に伝えると上司が土日に苦しむ可能性がある
金曜日の退社前に上司にメールを送り付ければ、その週は上司・部下は顔を合わせずに週末に突入します。
週末をはさむのはよい考えです。
しかし、金曜日は考えものだ。
ピークエンド効果からすると、最後に生じたイベントは人に大きな影響を与えます。
物語においては持続時間の無視はごくふつうのことで、多くの場合エンディングが物語の性格を決定づける。物語だけでなく、内視鏡検査や旅行や映画の記憶にも、この同じ特徴が認められる。
ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー 下』(早川書房、2012年11月)228ページ
上司にとって週の最後に部下からビッグニュースが飛んでくれば、大きな衝撃となります。
超嫌いな部下であって辞めてほしいと思っていて、上司の上司からも「辞めさせろ」と言われていたような例外的な場合を除き、上司にはネガティブサプライズです。
上司は土日を暗い気持ちですごすことになります。
部下が辞めることは管理職としてマイナスです。「自分が悪いから辞めるのか?社内でそう評価されるのだろうか」と心配になります。
1人抜けた穴をどうやりくりするか考えないといけません。他の部下に振れば文句を言うかもしれません。自分がある程度引き取らないといけないかもしれず、そうすれば自分の負担になります。
新しい人を補充してもらえる保証はなく、補充してもらえるとしてもいつになるか、どんな人が来るかもわかりません。
(3) 週末は使いたいが、平日最終日の金曜日は避ける。ゆえに木曜日
木曜日に伝えれば、上司と仕事上やりとりがあるのは後は金曜日1日です。
土日に気分一新してもらいましょう。
木曜日に伝えてその後仕事が金曜日1日あれば、退職表明はその後の仕事で上司の頭の中に占める割合が下がっていき、相対的に重要度は落ちていきます。
退職以外の業務で上司の注意力を削ぐようにします。
退職を伝えるべき時間帯は午後早め
(1) 午前早めだと上司の頭を部下退職連絡が一日支配してしまう
朝いきなり伝えると、上司の頭の中は部下からの退職願い連絡ショックで一日中いっぱいになってしまいます。
遠くの海外で起きるリーマンショックよりも身近な部下退職連絡ショックの方が遥かにインパクトが大きい。
「上司め、ざまあみろ」と思う人もいるかもしれませんが、そんな関係性が悪い相手に強力なダメージを食らわせると、どのような跳ね返りがあるかわかりません。
「情けは人の為ならず」。自分の身のことも考えると上司に与える衝撃はできる限り小さい方が望ましい。
あまり早い時間帯に伝えると、その日の長い時間気まずくなります。
(2) 定時直前の遅い時間だと帰社後の夜にあれこれ考えてしまう
定時前に「辞めます」と伝えると、上司は部下退職連絡ショックを家に持ち帰ることになります。
上司は気が休まらないでしょう。
上司があれこれ余計なことを夜に考えるかもしれません。
そうしたら翌日部下に意味不明なことを言ってくるかもしれない。
夜中に会社メールで謎のメールを送ってくるかもしれない。
(3) 昼休み後の早めを狙う
早すぎは良くない。遅すぎも良くない。
そしたら昼休みくらいを狙う。昼休み前だと、嫌な気分で昼休み突入になってしまうので、昼休み後に連絡だ。
昼食を食べて満腹になっていれば空腹でイライラして怒りだす可能性も低減できる。
退職の伝え方はメールがおすすめ
上司に退職の意思を伝えるのはメールがいいと思います。
(1) 面と向かって伝えるのは苦痛で予期せぬやりとりがありえる
メール以外のやりとりのデメリットは大きい。
ア 口頭(対面または電話)
対面でいきなり「辞めます」と言われると驚きます。
私は上司に打ち合わせのついでに「辞めます」と対面で言ったことがありますが、やはり驚いていました。
気まずいですし、上司はその場で何か応答しなければならなくなります。
上司を追い詰めることになるのです。
退職を伝えるメッセージの応答には、瞬間的な思いつきではなくよく考えた方がよい。
上司に応答までの時間をある程度与えた方がよいため、口頭はあまりおすすめできません。
イ 書面(手紙)はやりすぎ
メールのパワーアップバージョンで手紙を送り付けるも考えられますが、メールが送れるならここまでやらなくてよいと思います。
「絶対辞めさせないからな!」という上司でいつになってもどうしようもないなら手紙を送り付けて退職の意思を明確に残すことも考えられますが、最終手段です。
(2) メールの件名には「退職」とか書かない
メールの件名には「退職」とか「辞めます」とか、退職に関することだとわかる件名は避けましょう。
上司のメールボックスがオフィスで誰かにチラッと見られるかもしれません。
また、現代ではウェブ会議の際に画面共有でメール受信箱が少し映ってしまうこともありえます。
機密を守るために件名は一見しても退職のことであるとわからないものにすべき。
(3) 退職を伝えるメールの本文は退職することを前提とした内容を短く書く
「退職の相談をさせてください」といった曖昧な内容にはしない。
退職はもう決まったことだという姿勢のメールにしましょう。
「退職します。退職日について話したいです。」
「辞めます。引継ぎの話をさせてください。」
このように退職ありきで退職を前提とした内容の相談の打診のような内容がよいと考えています。
論点を「退職するか否か」から、「退職するとして、手続き面はどうする」という形式的なものに置き換えることができるからです。
退職を伝えるときは上司のことを考えよ
X(旧Twitter)に上記のような投稿(旧ツイート)がありました。
本記事では退職希望を伝える曜日・タイミングを検証していますが、その基準は伝えられる人の上司に合わせています。
上司にはダメージが大きい。
上記投稿を見れば、部下から退職の意思を告げられるのを本当に嫌がっているのがわかります。
だからといって、部下は事前に上司に退職を相談するなんてなかなかできないとは思います。
しからば突然伝えるしかない。
突然伝えるならいつか?
木曜日午後早めだろう。そのタイミングが一番マシだろう。というのが本記事の結論です。
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