転職活動というと、転職することを決意し、3ヵ月程度の間に応募、面接、内定と決める活動であるというイメージが持たれているようです。
しかし、必要がなければそんな急いで決めなければならないことはありません。
現職場に留まりつつ、良い転職先があれば考える、という急がないのんびりとしたゆるい転職活動の方がおすすめです。
急いで転職活動をするデメリット・ゆっくり転職活動をするメリット
なぜ急いで転職活動をするのが良くないのでしょうか。
(1) 短期決戦では選択肢が狭まる
「今こそ転職するぞ!」と思い立った時、ちょうどいい求人情報があるとは限りません。
ア 転職市場のタイミング
一成に同時期に求人情報が出回る新卒入社と違い、転職市場では、いついかなる求人情報が出てくるかは誰にもわかりません。
ある年の3ヵ月しか転職活動をしないとすれば、その時期に手に入る求人情報しか認知できないことになります。
「いつかは転職するかも」と、2年や3年、あるいは5年以上と情報を集めておけば、時間が長くなるにつれて手に入る求人情報が増えます。
求人情報が増えるということは、それだけ転職の選択肢が増えるということです。
イ 情報収集能力
初めての転職活動をする人が、入手する求人情報を適切に評価するのは難しいことです。
「この仕事いいな!」と思う仕事は、いつも求人票を出しているブラック企業かもしれません。
「え、こんな仕事しかないの?微妙・・。」と思った仕事は、この人には滅多に提示されない良い仕事かもしれません。
ある程度長期間にわたって求人情報を見ていれば、比較することにより評価能力はあがります。
(2) 焦りは禁物ー冷静な判断を
焦って求人票を見ないことも重要です。
焦りは判断力を下げます。
焦りのない状態で落ち着いて求人を見ることで評価力は養われます。
自分なりの評価力を持たずに転職エージェントに「今すぐ転職したい」と相談しては、エージェントによってはかっこうのカモにされてしまいます。
「とりあえず応募しましょう。応募して損することはありませんから。」というエージェントの口車にまんまと乗せられてしまいがちです。
ゆるく転職活動をする人は増えている
「今すぐ転職するわけではないけれども、話だけは聞いておこうかな」というスタンスの人は若手会社員を中心に増えているようです。
(1) ゆるい転職活動をする人は増加傾向
すぐ求人に応募するほどは本腰を入れない「ゆるい」転職活動をする20、30代の若手会社員が増えている。交流会などを通じて様々な企業とつながり、情報収集や人脈づくりに精を出す。今すぐ会社を移りたいわけではなく、普段から働く場の選択肢を広げておくことが目的だ。入社直後から動き始める新入社員も少なくない。
「ゆる転職活動」ビール・ピザ片手 広がる若手交流会 企業も注目、将来に備え人脈づくり
2024/03/30 日本経済新聞 夕刊
「今すぐ会社を移りたいわけではなく、普段から働く場の選択肢を広げておくことが目的」という転職活動。
これは私もずっとやっています。
おすすめです。
毎日転職活動に積極的にならなくともよく、気が向いた時だけいつもより情報収集に力をいれればいいのです。
(2) 何を目的としてゆるく転職活動をするのか
ゆる転職活動は、いつかありえる良い転職の可能性をつかむための現時点での活動です。
新卒入社時から転職のことを意識する若手は急増している。転職サービス「doda(デューダ)」では、入社直後の2023年4月に転職サイトへ登録した新社会人の数は、12年前と比べ30倍にのぼる。
「ゆる転職活動」ビール・ピザ片手 広がる若手交流会 企業も注目、将来に備え人脈づくり
「すぐさま転職したいというより、情報収集の場としてサイトを活用する人が増えている」と、デューダの桜井貴史副編集長はみる。登録した新社会人のうち、3カ月以内に転職したいと回答した割合は、無回答を除くと4割にとどまる。7年前は9割を占めていた。
2024/03/30 日本経済新聞 夕刊
のんびり転職活動は、良い仕事に就くことを目的にしています。
実は現職がとてもいい仕事かもしれません。あるいは、他に良い仕事があるかもしれません。
いつか仕事を変えるか留まるかの決断をするために、普段から情報収集をするのがゆる転職活動の目的です。
のんびり転職活動を成功させるためにすること
具体的には何をしたらよいか。
(1) 現職を大切に
「転職活動するぞ!」と意気込んで現職を疎かにすべきではありません。
それはゆる転職活動として良くない。
ア 比較評価のための現職
現職は、将来ありうる転職の比較評価をするために重要な物差しです。
「こんな職場いつか辞めてやるからどうでもいいや」と働いていると、その職場を正しく評価できません。
夢のような仕事・職場はありません。
そして、「この仕事は絶対いい!」と事前にわかることもありません。
ではどうやってよい仕事を見つけるのか?
それは、現職と比較するのが一番マシな方法です。
イ 給料、人脈、スキルアップ等のためにも現職は大切
うかつに現職を辞めてはいけません。
無職になって給料がなくなれば貧すれば鈍するでこれも判断力を鈍らせます。
また、現職にもいいところがあるはずですし、職務経歴書に書く事項も仕事をして増やすことができます。
主に働きながらキャリアは形成されます。
(2) 転職を意識する
多くの企業にボーっと居座ることだけ考えている社員はたくさんいますが、それでは良いゆる転職活動家にはなれません。
- 今どのような求人があるのか
- 将来自分はどのようなポジションに就ける可能性があるのか
- 魅力的なポジションに就くために、今から中長期的にどのようなことをしなければならないか
このようなことを意識すべきです。
現職で身につけるべきスキルや取り組むべき仕事の指針にもなります。
(3) 情報を収集するー転職エージェントと話す
転職エージェントに登録することは「一大事だ!」と身構える人が多いですが、自意識過剰です。「どんな求人情報があるか情報収集」くらいで全く問題ありません。
私は数十社登録してきており、何社かは定期的に求人情報をメールで送ってくるので、それで情報収集をしています。
大手1社にとりあえず登録から始めるのでいいですが、私は求人情報だけでなく、転職エージェントがどんな会社かや担当者がどんな人かも知って複数を比べたいので、なるべくたくさんの転職エージェントと話した方がいいと考えています。
まずはゆる転職活動をしてみようという方は、以下おすすめ転職エージェントにどこか登録してみることをおすすめします。
コメント