自分の将来の仕事人生はどうなるのだろう。
- 今の会社にいつづけるのでよいのか?
- 転職した方がいいのか?でもどの会社がいいのか?
- 会社だけでなく、今の仕事内容のままでいいのか?新しいスキルを磨かなくても大丈夫か?
- お金は足りるのか?
仕事人生・キャリアにおいて不安は尽きることがありません。
どうその不安に付き合えばいいのか。
1 仕事・キャリアの不安はあって大丈夫
自分のキャリアに不安を抱えるのは当然のことです。
まずその事実を受け入れて安心しましょう。
不安を感じないならば、それは自分の中で重要だと思っていないということです。
仕事を重要だと思っているからこそ不安になります。
とはいえ、自信満々で不安そうに見えない他人を見て、「自分はどうしてああなれないのだろう」と心配してしまう人もいるでしょう。
しかし、ポジティブな面しか見せない人を見て不安になる必要はありません。
言動がいつもポジティブな人は以下のいずれかです。
タイプ | 外面 | 内面 |
A | ポジティブ | ポジティブ |
B | ポジティブ | ネガティブ |
C | ポジティブ | ( ) |
タイプAは、言動ポジティブ、中身もポジティブな人です。
この人の思考方法は、心配性の人の参考にはなりません。無視しましょう。
タイプBは、言動はポジティブだが、実は考え方はネガティブな人です。
外部的な対面では無理してポジティブを装っているわけです。こういうタイプの人はけっこういると思いますよ。
とある有名人の具体例があったので紹介します。
プロ野球のミスター巨人軍長嶋さんです。
長嶋さんは現役時代のプレースタイルや前向きな言動などで、ポジティブ思考の代表のように思われている。だが、真の姿はネガティブ思考の塊で、常に「このままでは勝てないのではないか」と心配している人だった。
落合博満『采配』(ダイヤモンド社、2011年11月)221ページ
別の野球界のレジェンドである落合さんにこう評されています。
超明るいいつでもポジティブな人を見て、「なんで私はああなれないのだろう」と気落ちする必要はありません。
その人も苦労しているかもしれないですよ。
そして、タイプC。この人は、言動ポジティブ。内面はというと、何もない人、何も考えていない人です。
こういう人は放っておきましょう。
会社員等の働く人の将来がどうなるかなんて誰にもわかりません。
会社がどうなるか、AIが仕事を奪うのか、日本経済は没落するのか、自分は病気やケガで働けなくなったりしないのか、家族に何かあるのではないか。
重大な事柄について不確定さが常につきまとう以上不安は尽きないのです。
不安をなくそうというのは無理ですのであきらめましょう。諦めが肝心。
2 真剣に向き合い続けるならキャリア不安は解消されることはない
不安を感じるのは嫌だ。
不安感をなくしたい。
私も不安なく働けたらどんなにいいか、と思います。
FIREがもてはやされるのは、手っ取り早く仕事の不安から解放されたいからだと思います。
しかし、仕事を自分にとって大切なものだと考える限り、仕事に関する不安はなくなりません。
会社員に限らず、自営業だって「明日お客さんは来るのか」「来年の売上は、原材料価格は」といった心配は尽きません。
仕事上の不安が尽きないのは大多数のサラリーマンだけでなく、スーパースターと言われる人も同じです。
試合開始まで横になって寛ぎ、プレイボールがかかってグラウンドに出れば活躍する。そんな選手になれたら練習は必要ない。私もそういう選手になりたかった。だが、どんなに練習してもそれほどの選手になるのは不可能であり、誰もが何らかの不安を抱えてプレーしている
落合博満『采配』(ダイヤモンド社、2011年11月)32ページ
また落合さんの書籍から。
落合博満さんは、史上最年少での三冠王、プロ野球最多の三度の三冠王などの偉業を選手として成し遂げ、監督としても8年間全てAクラス入り、そのうち4度はリーグ優勝と、プロ野球界におけるスーパースター、伝説の人物です。
データ野球で有名であった野村監督は「バッティングを読めないのが、イチローと落合」と言っていたそうです(鈴木忠平『嫌われた監督』(文藝春秋、2021年9月))。
落合さんは現役時代は天才肌として鳴らしたバッターであり、いつもポーカーフェイスを貫いていたのですが、内面は常に不安がつきまとっていたのです。
落合さんも、前述で紹介した、タイプBの外面ポジティブ(あるいはネガティブにあまり見えない)、内面ネガティブなのです。
3 キャリアが不安なら、行動しなさい、考えなさい
不安があるのはしょうがないとわかった。
ではどうしたらいいのか。
(1) 練習する・勉強する
これについても落合さんの言葉があります。
それは「練習するしかない」ということです。
誰もが何らかの不安を抱えてプレーしているからこそ、少しでも不安を払拭しようと練習するのだ。
落合博満『采配』(ダイヤモンド社、2011年11月)32ページ
特効薬はありません。
野球で不安なら、練習するしかない。
試合で結果が残せないから不安になる。だから試合で結果を残せるように練習する。
じゃあ仕事なら?
不安に応じてそれに対処しましょう。
クビになるのではないか?クビにならないよう仕事で成果をあげましょう。成果が上がるようスキルを磨きましょう。
運動選手ではなくデスクワークをしている人なら、練習に当たるのは勉強です。
将来のキャリア不安を感じるサラリーマンは、勉強すべきです。
最近本ブログで人気の記事では、サラリーマンが司法試験に合格して脱サラするというものがあります。
(2) 考え抜く
不安解消のためにただやみくもに動けばいいというものではありません。
また、「これさえやっておけばよい」というものもありません。
会社員は勉強すべき、というのも一例にすぎず、万能薬ではありません。誰もが司法試験を目指せばよいというものではないのです。
何を勉強したらいいか、どう勉強したらいいか等は多種多様です。
「これをやっておけば絶対に大丈夫」という練習方法もない。だから、どんな仕事にも不安は常につきまとうものなのだ。不安を拭い去れず、「俺は自信がない」とひるんでいては進歩がない。誰もが不安を抱えているからこそ、試行錯誤しながら努力を続けられるのである。そう考え、自分はどんな練習(努力)をすればいいのか考え抜くことが大切なのだ。
落合博満『采配』(ダイヤモンド社、2011年11月)32ページ
重要なことは、練習や勉強といった行動とともに、真剣に考え続けることです。
自分の考えや自分の周りの外界の環境は刻一刻と変化しています。自分の努力すべき行動がいつも同じとは限りません。
私が法律事務所にいた時は、クライアントから持ち込まれる相談に多い法律実務に詳しくなる必要がありました。
そして、クライアントから持ち込まれる相談はいつも同種のものとは限りません。
また日系企業に転職した後は海外とのやりとりが多かったので、英語を使うようになりました。英語力を高めることは仕事を円滑をすすめるために役立ったのです。
必要な練習は常に変わります。
万物は流転する
ーヘラクレイトス
鉄棒で逆上がりができるようになってからもひたすら逆上がりを練習し続けるのはよくないでしょう。
「次は空中逆上がりか。どうやったらできるようになるか。」と考えて練習するのが大切なのです。
そうしないとその行動の意味・価値・効果が下がってしまいます。
そして、考えなくなると「無視していい」と前述したタイプCになってしまいます。何も考えない人です。
タイプ | 外面 | 内面 |
A | ポジティブ | ポジティブ |
B | ポジティブ | ネガティブ |
C | ポジティブ | ( ) |
タイプCは、一流にはなれず、二流にもなれません。三流です。
多くの人は、考えるくらいなら死を選ぶ。
バートランド・ラッセルはこう言ったとウォーレン・バフェットはたまに説明しています。
多くの人は、考えたくないのです。疲れるから。
多数派に埋もれず、一流を狙うなら考え続けないといけません。
みなの真似をしていたら、平凡から抜け出すことはできない。
デビッド・クラーク『マンガーの投資術』(日経BP社、2017年)43ページ
4 サラリーマンのキャリア不安には転職をよい手段として使う
本ブログは転職がメインテーマですので、会社員の不安には転職が有効であると説明して締めます。
転職は、会社員のいくつかの不安に効果テキメンの手段です。
- 給料が安い・・。→転職すればすぐに給料を上げることが可能です。将来の給料も増えます。
- 今の仕事を続けてもスキルが身につかない・・。→身につけたいスキルが身につく職場に転職することで解決。
- 職場の人間関係が嫌でしょうがない・・。→転職すれば今の人間関係はゼロになります。
前記のとおり、不安は様々なものがあるので、各不安への対応は多くのものがあります。
その中で転職は会社員が主体的に自分のキャリア不安に向き合うために有用なものです。
たとえば人間関係解消もできます。
転職を一度か二度やったことがある人は転職の効果を実感していると思います。
転職は愉快なことばかりではなく、転職に二の足を踏むのは当然です。
私は数回転職していますが、面接等の選考プロセスはやはり大変です。
そして、年齢が上がるにつれて「仕事ぶりはどうだろう」という自分に寄せられるパフォーマンス期待のストレスも上がっていきます。
しかし、そうしたストレスを感じながら、それに対応するためにスキルを磨こう!と考えて行動することが自分のキャリアを進展させてくれます。
ボーっと何も考えず、スキルも磨かず「でも私は有名企業社員」とだけ考えていると、ゆでガエルになってしまいます。
ゆでガエルでもいいや、という人もたくさんいますので、それについては特に言うことはありません。
ただ、昨日の自分より今日の自分はより成長していると思いたい、という前向きな人で現職場が合わないなら転職を真剣に考えるべきです。
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